ORDER WORKS

実際のオーダー例

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貴方のオーダーのヒントになさってください。

ホリディピンクのヘビ革 定番ミニ財布 30402

ホリディピンクのヘビ革 定番ミニ財布 30402

2023/05/22

「最近小さいバッグばかりにしたら、

今の小さな財布がボロボロになってるのが

気になってきました。

 

店頭で見ていたら

「嵩張らない小銭入れ付きのミニ財布」

が良いかな、と思ったのですが、

自分がピンとくる革とカラーのものが欲しくて…

革を買いに行きました。

このヘビ革ですが、作っていただけますか?」

 

 

 

 

 

 

 

この方はまだまだ若い方ですが、

小さなバッグに入るものしか持たず、

折りたたみエコバッグをお持ちで

お買い物品はいつもそこに入れて帰る、という

エコ行動を自然に実践しています。

 

いつも個性的で上質なワンピース姿なので、

ブランドの流行バッグをお持ちになるタイプ?

と最初お見受けしましたが、

オーダーをお受けすることで、それは誤解で、

この方の自然な振る舞いの中での

無駄のない行動に、良い意味での驚きを覚えました。

 

この仕事にはいつも、

素晴らしいバランスのクライアントが

おいでくださるのだと、嬉しく思っています。

 

 

 

 

 

 

 

そういう方ですから、私どもの

フルオーダーメイドの使い方も上手で、

今回は、持ち込みの革でも大丈夫、

と信頼をおいてくださいました。

 

私どものフルオーダーメイドでは、

革にはたくさんの種類がありますから、

言葉に表せない

現在のみなさまのリアルな気分や

そのオーダー品にこれから込めたお気持ち

などを、実際に

ご自分でたくさん革を見てお決めになる

アプローチもあり、と思っています。

 

どんな種類の革で、

どんな種類の色がいいのか、

たくさんご覧になってお選びになったヘビ革は

なるほどこのクライアントご自身の

イメージを表していました。

持ち物やお洋服にも似合います。

 

 

 

 

 

 

 

ヘビはお腹から開くので

大きめの斑柄は背中側の柄になります。

革幅の狭い革ですから、

革を継がないでお作りする小物の場合、

見せたい柄の方向によって

限定的に革の取り方は決まっていきます。

 

今回は、

財布を広げた時シンメトリーになるよう、

ご依頼をいただきました。

 

上のお写真で、向かって左側の

フタ部分までひと続きパーツの財布ですから、

小銭入れ部分の柄には

そこから繋がっているイメージがある部分と

方向とを、お選びしています。

 

クライアントのみなさまには

大きなパーツをどう取りたいか、という

全体イメージに対するご希望を伺うだけですから、

こういった細かい部分はお任せいただければ

大丈夫です。

 

とくに手を加えてないかのように

自然に見え、

結果としてより美しい製品になるよう

私どもの方でお選びしていきます。

 

 

 

 

 

 

このミニ財布はつい最近お出しした定番ですが、

とにかく薄い財布で、小さいことからも

すでにいくつかのご注文をいただいています。

 

そういう意味で

製作方法は確立しているはずですが、

この素材には、大きな落とし穴がありました。

 

爬虫類革の中でも、

ヘビ革にしか必要とされない

デリケートな処理をしなくてはならない

部分があったのです。

実際に製作に入ってから気づいたくらい

細かい内容でした。

でもその部分をうまく作らないと、

ぱっと全体を見た時

チープなイメージになってしまいます…

 

毎回毎回、その素材でその形だけに起こる

アクシデントに対して、

まるでそんなことはなかったかのように

お作りできることが、

フルオーダーメイドを標榜する店の証明です。

 

 

 

 

 

 

「ヘビ革はウロコが逆だってしまうから…」

と敬遠する方もいらっしゃいますが、

それは、使い方次第。

 

使うたび

ウロコの方向に沿って手で撫でていただけば、

ウロコはきれいに寝ていきます。

そしてそこに自然のツヤが出て

それはそれは美しい革色に変化していきます。

 

もしかしたら

「ヘビ革のお財布は金運が良い」

と言われるのは、

この、モノを大切にする心持ちで

コトに接すれば、すべてうまく運ぶ、

ということなのかも知れません。

 

いろいろな革がありますが、

ご興味ある革について

デザイナーにお尋ねいただきながら

自分のお気に入りをオーダーするのは、

とても楽しい作業です。

 

 

三つ目のおにぎりボストンバッグ 30108 

三つ目のおにぎりボストンバッグ 30108 

2023/05/20

「鞄の上のおにぎりのとんがり部分が

『ゆとり』空間で、

ほんとに使いやすいんですよ!

 

折り畳み傘とかマフラーとか、

この空間のおかげで

ちょっと余分なものまで収まるんです。

私にとってはパーフェクトなバッグです。

このバッグの使いやすさは

すばらしいです。」

 

 

 

 

 

 

べた褒めしていただいたバッグは

定番の「おにぎりボストン」

こちらのクライアントは

このバッグを日常的に使ってくださり、

TPOで色を使い分けるために

過去にふたつ、ご注文くださいました。

 

 

 

 

 

 

ハードユースしたワインカラーの方が

「先にへたってしまいましたので」

またご注文くださることになりました。

 

「この外ポケットにも

ちょうど私の入れたいものが入るんですよ。

スマホとIDカードと。

このポケットもちょうど良い大きさです。

おまけにカバン自体がとても軽いですし…」

 

 

 

 

 

 

「このバッグは

どれくらい注文が入りますか?

これほど使いやすければ、

きっとファンが多いでしょうね。」

とおっしゃってくださいましたが、

 

当店でお作りする数では

絶対に同じものを持った人と

すれ違う恐れはありません、

と言い切れるのがちょっと寂しいところです。

 

 

 

 

 

 

「ブランドものにはまずないですが、

ほんとに自分が使いやすく思えて

毎日の生活に必要なバッグって、

市販品にはほとんどないですよね。

 

私はこれをひとつ作ってみたら

あまりに私の生活に合っているので、

もう一つ作りました。

そろそろ新しいバッグを、という現在でも、

結局このバッグ以外だと

私の生活で使うことを想像できません。」

 

ほんとに良かったですし、

こんなにお役に立てるなんて最高です。

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

健在な黒のおにぎりボストンは、

持たせていただきましたら

こんなにお荷物をお持ちですか!

と感じるほどお荷物が入っています。

 

中身をたくさん入れるバッグであれば、

その重量に耐えられるよう、

ある程度自重の縛りは必要になります。

このバッグのように二本の持ち手があると

より軽くすることができます。

 

 

 

 

 

 

その他、形が崩れないよう

底面には芯を入れ、鋲を打ちます。

 

今回は

実際に使ってくださっているバッグを

お見せいただきましたから、

ヘタる部分を反映させて、

見えない補強を増やしました。

 

外からは

どこも変わったところは見えなくても、

内側はかなり変えています。

 

こんなところが

当店定番品のすごいところ。

たとえ同じ形であっても、

使う人に合わせて中身を変えています。

 

そしてそれが恒久的な内容であれば、

定番としての仕様を

どんどんブラッシュアップします。

貴重な経験をありがとうございました。

 

 

ダークグリーンクロコダイルのカードがたくさん入る長財布 30203

ダークグリーンクロコダイルのカードがたくさん入る長財布 30203

2023/05/17

「いま持っている長財布は

良いんだけど、

この革はあまり好みではないので

クロコダイルで欲しいんだよね。」と

有名ブランドの珍しいザインの長財布を

お持ちになったクライアント。

 

 

 

 

 

 

お札もたっぷり入りますし

カードがたくさん入る長財布です。

今回はご希望が明確でしたから

「タテ入れのカード入れですと

真ん中が膨らみますが、

このままの仕様でよろしいですか?」

という確認をしただけのご相談で、

クロコダイルのご希望色を伺いました。

 

 

 

 

 

 

たまたま他のクライアントのために

お取りしていた色があったので、

お見せしたところ、

そのお色を気に入ってくださいました。

 

わたしどもがお取引のある

エキゾチックレザー専門店は

「最近は小ロットで

感じの良い色を染めるようにしています。

色を厳しく指定して、色留めもしています。

色染めは日本でやる方が間違いなく、

指定した色できちんと染められるからね。」

と、良い色目で染めています。

ほんの少し色目が変わるだけで

ちょっとね…となってしまいますから、

こういう色目で作っているところがあるのは

とてもありがたいことです。

 

 

 

 

 

 

内側のカード入れの最下段は

左右ともに、クロコダイルにしました。

ほんの少しアクセントを加えることで、

イメージはぐっと変わります。

 

どの斑柄で取るかは

大きなパーツを取ったあとで

一番良さそうな柄を選んで決めます。

 

 

 

 

 

 

クロコダイルの革の大きさは、様々です。

そんなの当たり前でしょ!

と言われそうですが、

たくさんある大きさの中から

製作するお品物の大きさに合わせて、

毎回型紙を作ってから

買い出しに行きます。

 

個体差がある該当する大きさの革の中から

必要枚数を選ぶのは、真剣な作業。

見落としがないよう、

明るい日差しの中で見せていただきます。

 

 

 

 

 

 

今回の長財布の斑柄は

上のお写真のように配置しました。

外から見ると

大→小へと斑柄が変わっていくのが見えます。

自然はすばらしく美しいものを生み出します。

 

クライアントには

とても気に入っていただきました。

このたびはありがとうございました!

 

 

ふたつ目は超軽量スマホケース 303N

ふたつ目は超軽量スマホケース 303N

2023/05/15

「もうこれ以上は無理かもしれません。」

とお答えしたご依頼内容は、

 

「以前作ってもらったスマホケースと

同じものが欲しいのですが、

もっと軽くしていただきたいのです。」

 

 

 

 

 

 

私どもでは、躯体の長保ちなどを考えながら、

いつでも、なるべく軽量のオーダー品を

お作りしていますから、

 

「これ以上に軽く」と言われますと

ちょっと途方に暮れてしまいます。

 

前回のケースも、同じ仕様で83gでした。

パタパタのページをお付けして、

シェルカバーも含めて

この重さであれば良しという重さですが、

どうしましょう。

 

 

 

 

 

「この面のカード入れを減らしても

大丈夫です。」ということで、

芯材の入れ方もさらに変えて

改変に改変を加え、とにかくやってみました。

 

たまたまシェルカバーも

超軽量のものがありましたし、

裏地専用の革の中にも

かなり薄い部分がありましたから、

そこを使えば何とかなりそうです。

 

 

 

 

 

 

そして出来上がったケースの重さは、

驚くことに46g、となりました。

私どももここまで軽くできるとは

思いませんでしたから、

この軽さでどこまで保つかが

これからの問題かもしれません。

 

しかしこのクライアントにとって

もっとも重要な問題は、

「とにかく軽く」でしたから

ご注文いただいた甲斐はあったと思います。

 

 

 

 

 

 

何かを入れる容器の重さは、

中身に合わせてお作りする必要があります。

バッグなどはそれを鑑みて

ギリギリの線まで落とすこともありますし、

 

逆に立派な体格の方で

重さは気にならない、という方へは

重めに作ることもあります。

 

当店でお作りするオーダー品は、

お使いになる方の身体に合わせて

お作りしています。

これをお持ちいただくことで、

身体が楽になり、

気持ち良くお過ごしいただけることを

願っております。

このたびもありがとうございました。

 

 

革になる前の牛と原皮の話:㈱栃木レザーにて

革になる前の牛と原皮の話:㈱栃木レザーにて

2023/05/13

久しぶりに㈱栃木レザーへ行きました。

今回案内してくれたのは

当店の革を製作担当しているMさん。

Mさんは下地づくりから仕上げまで

みっちりやってきた壮年の熟練者ですから、

革に関する新しい情報をたくさんお持ちです。

 

創業1937年の㈱栃木レザーの

営業を続けてきた長いスパンの中では、

工場で使う薬剤の変化だけでなく、

法律が変わったり

牛の育て方が変わったり、と

ひとつとして同じ状況はありませんが、

そんな中でも良質な革を作り続けようと

彼らは日夜努力しています。

 

 

 

*タンニン層を移動させているところ

 

 

原皮はカナダのトロントから輸入してますが、

一時期はアメリカの革も試したり…

と、試行錯誤の末

結局トロントの原皮に戻ったとのこと。

 

20年ほど前から、日本では

2年半以内の肉しか輸入できなくなっていることや、

効率よく肉を育てるための高価な配合飼料を

なるべく使わなくて済むように、

30年ほど前まで

4~5歳で肉になっていた牛たちは、

現在2~3年で肉になっています。

 

飼料だけでなく、牛の扱いも変わってきていて、

ここの所ずっと

キズや虫食いの多い革が当たり前になったのは、

それまでの習慣が変わったからだそうです。

 

 

 

*鞣し工程20のうちの1~3

 

 

 

昔は、牛たちを小屋に入れる前に

塩素水プールに入れる習慣でした。

私たちがプールに入る前、

小さな塩素水プールにざぶんと入るのと

同じ感じだったことでしょう。

 

ですがその時、

塩素水を誤飲してしまう牛がいるため、

その行程は止められました。

効率を求めて習慣も変わります。

 

元々なぜ塩素水に入れるかというと、

蚊や虫に刺されてかゆくなったりすると

牛がイライラして暴れるので、

それを避けるためでした。

 

塩素水に入らなくなると

虫刺されが増え、

そのかゆみを抑えるために

地面をゴロゴロと擦ったり

暴れたりして、キズが増えているようです。

 

 

 

*この後乾燥させれば、下地革が完成します

 

 

原皮の出荷量や質は

今後どうなると思いますか?

とMさんに質問しますと、

「これからは、代替肉の出現によって

肉の消費量がどう変わっていくかが

関わってくると思います。」

 

前にも書いたように、

「皮のための牛」はいませんから

「肉のための牛」がどうなるかが

ポイントです、か、なるほど。

 

今の総合餌は

どれだけどんなものを食べさせると

効率よく肉が肥えるか、をテーマにしていて

「肥育」という言葉もあるくらいです。

まさに「肉のための牛」ですね。

 

牛という家畜は、肉を除かれた後

頭のてっぺんからしっぽや蹄まで、

すべての部位が有益に使われます。

他にこれほど活用される例は

あるでしょうか?

 

貴重な皮だからこそ昔から、

長く使える革の状態にして革製品を作り、

使い続けてきました。

皮から革へ、はすばらしい発見です。

今日は原皮のお話でした。

 

 

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