ORDER WORKS

実際のオーダー例

40年3,000件を超えるオーダー実績
貴方のオーダーのヒントになさってください。

胸ポケットにペンを3~4本入れて持ち歩くためのペンケース

胸ポケットにペンを3~4本入れて持ち歩くためのペンケース

2023/04/29

 

こうして平らにお写真に撮っただけですと、

いったいどのように使うものなのか?

不思議に思うオーダー品をご紹介します。

 

これには見本品がありまして、

廃版となってしまったため

お困りになった方がご注文くださいました。

 

 

 

 

 

 

上は正面からのお写真、

下は上から見たところのお写真、

そして

3枚目は横から見たところです。

 

この3枚を見ても

何をどう入れてどう使うものか、

なかなか想像がつかないと思います。

 

 

 

 

 

 

さて正解は

「胸ポケットにペンを入れるための

ペンホルダー」です。

 

賢い作りだと思ったのは、

3枚目、下のお写真の上部に付けた

フタのようなものです。

 

ここがポケットの外に出て

本体だけがポケットの中に納まると、

ペンはきっちり収まります。

 

職業的にはドクターや弁護士、また、

事務用品のお好きな方々にお奨めです。

 

 

 

 

 

 

ご注文者はこのペンケースの愛用者で、

よくできたお品なのに

非常に安価なお品だったので、

プレゼントにもよくお使いだったそうです。

 

なるほど、4枚目のお写真のように

ずらっとペンを入れられますから、

胸ポケットから出した部分に

相手の方のイニシャルを入れれば

すばらしいプレゼントです。

 

 

 

 

 

 

ひょんなことから

お店においでくださることになった

クライアントですが、存外に

強者の文房具オタクでいらっしゃって、

人は見かけによらぬものだと思いました。

 

それにしても

この文房具の威力はすばらしいと思います。

 

ポケット内部を汚したり

ポケットに穴を開けたり、ということが

これを使うことで激減します。

お探しの方は当店をお訪ねください。

 

 

がま口財布の製作の難しさ

がま口財布の製作の難しさ

2023/04/27

本日は貴重な体験をお話しします。

久々に落ちた大きな穴です。

がま口財布の奥深さを知る

良い経験をいただきました。

 

フグを安全に食べられるようになるまで、

フグのどこに毒があるかを

身を持って知らせた人たちがいますが、

命はかかっていなくとも、

私どもの仕事における

一つひとつの積み重ねは、

それに匹敵するほど大事なことです。

 

今回は見本品があり、見本品のがま口を

再生使用することになったため、

良かれ、と思って下した判断では

製作セオリーどおりに作らない、

という結論になりました。

 

ところが、

ちゃんと作動している実物があるにも関わらず、

オーダー品ではそれがうまく作動しなかった!

という例です。

 

 

 

*最初にお作りした小銭入れのマチ幅

 

 

上のお写真のマチ幅は

見本品と同じで、

開き具合も同様にし、新品であっても

使い勝手の馴染みがあるようにしたもので、

通常の製作セオリーよりも

幅を狭くして作っています。

 

下のお写真は、セオリーどおりのマチ幅。

 

片側の部屋につき、現物より

1センチ広くしたただけのマチですが、

この寸法が一か所変わるだけで、

外側の全体パーツの長さまで

変えなくてはならない事態が起こります。

ですからこのお直しは、大手術。

 

でもこれで、がま口が

うまく作動するようになりました。

もし原因がわからなかったら

修理する方法もわからず、

時間ばかりが経って難儀していたところです。

 

 

 

*セオリー通りに広げたマチ幅

 

 

こちらのクライアントは、

お渡しから1年経って

「がま口金具が外れたので

直してください。」

とおいでくださいました。

 

普段、1年くらいで外れるような

ヤワな作りはしませんから、

どうしたんだろう?とよくよく見ましたら、

マチ幅が狭いことで

外側のパーツの長さが短くなってしまい、結果

見事にすっぽりと金具から外れていました。

 

「ああ、ここか…」

見本の小銭入れのマチがとても狭かったので、

クライアントに「使いにくくないですか?」

とお尋ねした時、「問題ありません。」

というお返事をいただいたので、

見本品のマチ幅を踏襲し、

使い勝手を同じに定めた、その場所でした。

 

 

 

*修正前のもので
金具からY字の付け根までの距離が短い

 

 

 

見本品がうまく作動していたことで

そのマチ幅でOKと思っていましたが、

そこが素材の革と布との違いでした!

 

というか、

布系の量産品をたくさん見てきて

いつも感じたことは、

わりとノリで作っているものもあり、

あまり理に適っていない製品も

少なくないということ。

 

そして多少大きかったり小さかったり

曲がっていたりするパーツであっても、

何となくつじつまを合わせて

うまくひとつの製品にしているものも

けっこうあります。

 

これは

革以外の素材の

加工のしやすさにも繋がっていて、

革では許されない誤差であっても

やすやすとそのハードルを越えます。

 

 

 

 

*修正後。マチを広くしたことで
Y字の付け根までの距離は
必然的に広くなる

 

 

 

今回のことでは、

またしてもフグ毒のような落とし穴を

知ることができました。

 

頭で考えた結果や、

ただいまある現物の使い勝手、と

それ以上の条件が絡み合っている

新製品の結果は、しばしば違います。

 

クライアントのみなさま、

もしこうした落とし穴がありましたら、

いつでもご相談ください。

このたびはご相談ありがとうございました。

 

次回から

がま口のマチはセオリーどおり、

を基準としますが、

それによって

現物と違うと感じる仕様になる場合には、

まずその部分をご説明することにします。

 

単に一点一点の製品を作る技術を

習得するだけでなく、

このような無数にある落とし穴を

一つひとつ潰していくことが、

フルオーダーメイドという仕事の中で

もっとも大変なところです。

 

そして、

二度と出会わないタイプの落とし穴の方が

圧倒的に多いことに、たまに

歯がゆい気持ちになることがあります。

 

 

 

オーダー品のネーム入れの現場

オーダー品のネーム入れの現場

2023/04/25

みなさんは、出来上がった製品に

ネームを入れる現場を見る機会に

遭遇したことはありますか?

 

平らな製品に

器械を使ってネーム入れをしているところは

少ないですが、あります。

 

 

 

*器械を30分温める間に手順を進める
ここでは、文字を並べている

 

 

製品に押印できる場合はたいてい

シンプルな仕様の製品で、

入れる場所の厚みに

大きな変化がないことが条件です。

 

 

 

*高さを合わせる

 

 

 

当店のオーダーメイド品には

複雑なお品物が多いため、

ひとつの製品の中に

いろいろな厚みがありますから、

 

 

 

*型に文字を入れる

 

 

 

出来上がった製品に押すことが

出来ません。

それで、パーツにする前に

お入れする必要があります。

 

 

 

*試し押し用の革を用意する

 

 

ネームを入れた

「完成したパーツ」を作るためには、

あらかじめ

必要なパーツより大きめの革を用意します。

 

それは、この器械は

ネームを真っ直ぐに入れることは出来ますが、

パーツに対して並行に入れることが

出来ないからです。

 

 

 

*試し革を器械にセットする

 

 

それで、ネームを入れてから

正しいパーツの形に切り出して、

裏地をつけたり、等の

完成したパーツにするための加工をして行きます。

 

 

 

*金箔を開いて

 

 

器械を使っているからといって

誰でもできる作業ではありません。

 

革質によって

どのくらいの温度で

どれくらいの圧をかけて

(手でコントロールしてます)

どのくらいの時間をかけるかは、

まったく違います。

 

 

 

*試し押しをする

 

 

ベテランのネーム入れ技術者でも

ほんの少しのことで失敗しますから、

周到に練習をして

「いち、に、さん・・・」と

必要な秒数を口に出して数えます。

 

 

 

*押した直後の金箔を剥がす

 

 

ほんものの金箔や銀箔を使いますから

しっかり押印することは必要ですが、

皮の表面まで薄い箔を突き通してしまうと

やり過ぎて文字は滲んでしまいます。

 

 

 

*本番用の革を用意する

 

 

要は、このネーム入れひとつとっても

技術者の経験とカンが必要な作業だと

ご説明したいと思いました。

 

普段、誰にもできる

簡単な作業と思ってやっていることが、

細心の注意を払って行われていることに

ハタと気づいたからです。

 

 

 

*革の種類や入れるネームの長さによって
押しの重さや時間を変えて入れる

 

 

先ほど、お電話で問い合わせがありました。

「オーダーでキーホルダーを作ったら、

ざっくりでいいですから

おいくらくらいになりますか?

選ぶ革の値段などによって違うと思いますが。」

 

デザイナーは、以下のよう答えていました。

「キーホルダーのような小物は

革の量は大したことありませんから、

材料費、という意味では

在庫がある革なら関係ないです。

 

そのオーダー品の複雑さがどれくらいで、

どこまでの厳しいご要望があるかで、

お見積もりは変わります。

要は技術料が一番です。

 

まずみなさまの言っていることが

ちゃんと伝わっているかどうか、

それから、それがどこまで現実にできるか…

それがもっとも大事なことだと思います。」

 

 

 

*ネームが入ったところ

 

 

 

そうしたところ相手の方は、

「そういうことだったんですね。

いや、却って安心しました。

そこまで技術に自信があるところなら、

お電話して良かったです。

あとからスケジュール見て予約します。

よろしくお願いします。」

 

技術を習得するのは文字通り大変です。

毎日作業していても

漫然と行っているだけなら、

自分のものにすることは出来ません。

 

真剣に、命かけて作っているから、

みなさまにご満足いただけるお品が

できるのだと思います。

 

お正月休みから4か月、

そろそろ技術者たちにも休憩が必要です。

GWお休みをいただきますが、

お休み後にはまた

しっかりと作業したいと思います。

 

 

ご自分でデザインなさったショルダーバッグ303N

ご自分でデザインなさったショルダーバッグ303N

2023/04/23

ある日、海外在住で

各国を渡るお仕事をなさっている

クライアントから、スケッチ画が届きました。

 

6枚に渡るスケッチ画で、

ご自分の欲しい形が明確に表現されています。

カバンについて勉強なさったご様子があり、

理にかなった内容です。

 

 

 

 

 

 

見た目、使い勝手、

質感等は店頭でご確認いただき、

実際にお目にかかって

細かいお話も伺いました。

 

革の触り心地へのご希望や

細かい点で説明しづらいところなど、

きちんとご説明くださいます。

 

 

 

 

 

 

お話ししてますと

こだわりも理解できますし、

欲しい形と近い市販品も

実際に使ってらっしゃいますから、

このご注文者の頭の中には

既に完成形があったのだと思います。

とても珍しいアプローチを

いただきました。

 

 

 

 

 

 

このバッグは

斜め掛けして使うメッセンジャーバッグで、

自分の欲しいものがいつでも定位置にあり、

上から手を突っ込めば

必要なものをパッと取り出せる、

合理的なカバンです。

 

ある程度

形が崩れないようにお作りしましたから、

相当使いやすいのではないかと

想像しております。

 

 

 

 

 

 

上から見ると

小物がそれぞれ、上のお写真のように

ぴたりと収まります。

 

手前のポケットの下には

さらに小物を入れられるポケットがあり、

この面の内側は

2段ポケットになっていますが、

 

バッグの口がぱっと開いてくれるので、

下段のポケットのものも

取りやすくなっています。

 

 

 

 

 

 

この内ポケットの大きさも

ある程度汎用性を持たせるために

同じ大きさのものを多用しています。

 

クライアントはご相談の最中に、

おもしろいお話をしてくださいました。

デザイナーが

「あまり聞いたことのないご職業ですね。

うちのお店には

日本でこの仕事をやっているのは

私だけですよ、というお客様が

たびたびいらっしゃいますが、

そのうちのお一人ですね。」と

申し上げたら、

 

 

 

 

 

 

「ああ、そうかもしれませんね。

私の仕事は

なかなか日本ではしづらい仕事です。

そういう人がこのお店に多い、

というのもうなづけます。

 

だってそういう人たちは、

他人のブランド名をぶら下げて歩きたくない、

と思ってると思いますよ。

私もそうですから。」

なるほど、うちにおいでになる方々は

ブランドに興味ない方がほとんどです。

 

そういった方々のご期待に沿えるよう、

頑張りたいと思います。

このたびはありがとうございました。

 

 

120万円入る二つ折り財布の新しいアプローチ 30211

120万円入る二つ折り財布の新しいアプローチ 30211

2023/04/21

そろそろ定番にしても良いかしら?

と勘違いしてしまうほど

しばしばご注文の入る「100万円入る財布」。

本日は新しいバージョンをご紹介します。

 

プレゼントとして

ご注文いただいたお財布ですが、

今回、ご注文者の方のご協力があって

可能になった形です。

 

お渡ししてからお日にちが経ちますので、

おそらくうまく働いてくれていると思い、

みなさまにも

ご紹介することにしました。

 

 

 

 

 

 

札が100枚以上入る

二つ折り財布を使っている方は、

想像以上に多いかもしれません。

 

その誰もが、市販の二つ折り財布に

「無理やり入れている」状態です。

 

それを拝見するたび、

牛革でもオーストリッチでも

とにかく「革は伸びる」と思い知ります。

 

容量以上どころか

100枚以上入れてもとりあえず使えるのは、

革の可塑性の高さゆえ、です。

なんとすばらしい素材でしょう!

他にはこんな素材はありません。

 

 

 

 

 

 

上のお写真をご覧ください。

今回は120枚前後入るように、

とのご依頼です。

古い札でも入るように設定しますと、

これぐらいの厚みになります。

 

カードも5~6枚お持ちになる方が多いため

お札の幅より

札入れの幅の方が長くなりますが、

これは致し方ありません。

 

このタイプをご希望の方は、財布を

お尻のポケットに入れている方が多く、

「なるべく小さくしてほしい」という

ご要望もわりと多くいただきます。

 

 

 

 

 

 

さてそこで、今回の新しいアプローチの

登場です。

デザイナーは「これを試してみたいのだけど」

といつも思っていたようですが、

普通でない形になるため

お話しするのをためらっていたようです。

それを今回初めて

こちらのクライアントに提案してみました。

 

それは、この定番財布のように

札入れ部分を

L字の形に開くようにすること、です。

 

クライアントには

「もしうまく働かなかったら

作り変えられます。」と

もし…への対応内容までお話ししての

アプローチです。

 

 

 

 

 

 

実際に出来上がったお財布の

お写真をご覧ください。

 

今回はカード入れのサイズがありますから

横幅まで狭くすることは出来ませんが、

片側のタテ部分にマチがついてないことで、

端っこは嵩張らずに閉じることができます。

 

却って

カード入れの大きさでお作りすると、

端っこまでの余分な距離があることで

すんなりと収まるようになります。

 

それで、お尻のポケットには

マチが付いたものより

コンパクトに収まります、という次第。

端の厚みが減ることで、

おそらく入れやすいと思います。

 

マチが付かない分、

外側と内側の札入れパーツは

少し厚手にお作りしてありますから、

ヘタリも少ないという計算です。

 

前回もお書きしましたが、

今回のように

クライアントのみなさまの

ご協力によって、

「世界に存在しない革製品」は

ブラッシュアップしていきます。

ご協力に感謝申し上げます。

 

 

<<最初のページ<前のページ次のページ>最後のページ>>